理学部、理工学部、工学部以外の理系(医学部、薬学部、農学部)は大学入学後、大学で4年間、数学(微分積分、線形代数等)は習わない。
ということは、医学部、薬学部、農学部受験生に限って言えば、数学を得点源から外し、英語、理科(物理、化学、生物)と大学入学共通テストの勉強に重点を置いて勉強するのも一つの策である。
要するに数学が苦手であれば数学は程々(半ば諦める)にして、他教科に力を注ぐという手段である。
数学を程々(半ば諦める)にする方法は、国公立の2流、3流、私立の2流、3流、の受験には通用する勉強法である。(国公立の2流、3流、私立の2流、3流に限って言えば合格者でも数学が苦手な学生も多いのも事実である。)
上記の観点から高校生の時、本気で数学を勉強するのは理学部、理工学部、工学部及び文系の経済学部受験生に限って良いとも言える。
とはいえ、理系ではどこの大学でも数学は出題される。
医学部、薬学部、農学部で、入学後大学で数学を習わないのに、なぜ数学が受験科目に含まれるのか疑念を抱く高校生、受験生もいると思う。
数学が受験科目に含まれる理由は過去の歴史的風潮もあると思うが、高校数学の論理的思考は無意識のうちに、あらゆる学問のWoking Memoryとしてとても役立つ(仕事をする上でも役立つ)からである。
逆に、理学部、理工学部、工学部では、1回生の時に、微分積分、線形代数を習う。私は理学部、物理科学科 出身であるが、物理学(力学、電磁気学、量子力学、統計物理学)を学ぶためには高度な数式処理能力を要する。工学部の材料力学、工業熱力学、流体力学も同様である。
大阪府立大学 生命環境科学域 自然科学類 シラバス抜粋
解析学基礎I<1組>(理学)
Calculus IA60005000121前期授業理系基礎科目FLMAT1905-J1金3B3-203松永 秀章
オフィスアワー
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授業目標
1変数の微分積分学について高等学校で学んだ事柄を発展させ,大学で学ぶ専門分野で必要な基礎学力を修得する. 数列や関数の極限の概念や計算に習熟し, 基本的な初等関数の微分や積分の計算を自在に行えるようになって, それらを様々な問題に応用できる能力を身につけることを目指す. 具体的には, 以下の能力を身につけることを目標とする. 1. 基本的な数列の極限や級数の和を求めることができる. 2. 実数の連続性を用いて, 漸化式で定義された数列の極限を求めることができる. 3. 微分の定義を理解し, 与えられた関数の微分可能性が判定できる. 4. 逆三角関数を含む初等関数の導関数が求められる. 5. 基本的な関数の高次導関数が求められる. 6. テイラーの定理を用いて与えられた関数を近似する多項式を求めることができる. 7. テイラーの定理を用いて与えられた関数の値の近似値をを求めることができる. 8. ロピタルの定理を理解した上で, 適切な方法で関数の極限を求めることができる. 9. 基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる. 10. 置換積分法, 部分積分法を用いて基本的な関数の積分が求められる. 11. 区分求積法を理解して, 積分の形に書き直すことができる数列の極限を求めることができる. 12. 部分分数分解を用いて有理関数の積分を求めることができる. 13. 三角関数の簡単な有理式で与えられる関数の積分を求めることができる. 14. 基本的な関数の広義積分を求めることができる. 15. 簡単な図形の面積を求めることができる. 16. 曲線の長さを求めることができる.
教科書
「理工系新課程-微分積分 基礎から応用まで (改訂版)」培風館 数見・松本・吉富著 ISBN978-4-563-00394-4 「理工系新課程 微分積分演習 --解法のポイントと例題解説--」 培風館 (山口睦,吉冨賢太郎)著 ISBN 978-4-563-00395-1
参考書
必要に応じて紹介する.
関連科目
解析学基礎Ⅱ・線形代数・確率統計基礎
授業時間外の学習(準備学習等について)
準備として、教科書をよく読み例題などを自分で考えてみる。理解できなかった部分を書き出しておき、対応する授業時間に質問すること。また、復習としてもう一度教科書をよく読み、教科書の演習問題を自分で解いてみること。
授業の概要
実数の基本性質について考察し、初等関数についての極限や導関数の計算法と種々の平均値の定理やテーラーの定理を学び、不定形の極限や関数の整級数展開などへ応用する。定積分の定義と微積分の基本定理を学んで、基本的な初等関数の積分の計算法を紹介した後、広義積分や曲線の長さや図形の面積などの求積へ応用する。
授業計画
第1回イントロ、基本的な記号・用語を解説し、数列の極限について学ぶ。準備学習等教科書 p3~p8 の範囲の予習第2回「実数の連続性」と呼ばれる、実数の集合に特有な性質について学ぶ。
級数の収束と発散の定義を行い、簡単な級数の和の求める方法を学ぶ。準備学習等前回までの復習、教科書 p9~p13 の範囲の予習と指定課題第3回関数についての基本的な概念を解説し、初等関数の基本性質について学ぶ。「逆三角関数」、「双曲線関数」を新たに導入し、その基本性質を学ふ。準備学習等前回までの復習、教科書 p14~p21 の範囲の予習と指定課題第4回関数の極限について学ぶ。関数の連続性について学ふ。関数の微分可能性と微分係数について学ぶ。準備学習等前回までの復習、教科書 p22~p32 の範囲の予習と指定課題第5回関数の導関数を定義して、導関数の計算の基本公式を学ぶ。様々な導関数の計算法を学ぶ。準備学習等前回までの復習、教科書 p34~p41 の範囲の予習と指定課題第6回高階導関数や高階微分係数を求めるための計算法を学ぶ。「ライプニッツの公式」について学ぶ。準備学習等前回までの復習、教科書 p42~p44 の範囲の予習と指定課題第7回「平均値の定理」を学ぶ。「テーラーの定理」を学ぶ。準備学習等前回までの復習、教科書 p49~p56 の範囲の予習と指定課題第8回不定形の極限の計算法を学ぶ。「ロピタルの定理」について学ぶ。準備学習等前回までの復習、教科書 p57~p60 の範囲の予習と指定課題第9回テイラーの定理を用いて、多くの初等関数が整級数の形に表されることを学ぶ。
関数のマクローリン展開を学ぶ。準備学習等前回までの復習、教科書 p62~p65 の範囲の予習と指定課題第10回リーマン積分を定義とその基本性質について学ぶ。準備学習等前回までの復習、教科書 p75~p81 の範囲の予習と指定課題第11回不定積分と「微分積分学の基本定理」について学ぶ。置換積分法や部分積分法について学ぶ。準備学習等前回までの復習、教科書 p82~p88 の範囲の予習と指定課題第12回漸化式による積分の計算法を学ぶ。有理関数の積分の計算法について学ぶ。準備学習等前回までの復習、教科書 p89~p94 の範囲の予習と指定課題第13回三角関数の積分法を学ふ。無理関数の積分法を学ぶ。準備学習等前回までの復習、教科書 p95~p104 の範囲の予習と指定課題第14回広義積分の計算法を学ぶ。広義積分の収束・発散の判定法について学ぶ。準備学習等前回までの復習、教科書 p109~p115 の範囲の予習と指定課題第15回積分の応用として曲線で囲まれた図形の面積や曲線の長さの計算法を学ぶ。準備学習等前回までの復習、教科書 p128~p135 の範囲の予習と指定課題第16回期末試験を行う。準備学習等
成績評価
期末試験8割、講義中に課す課題・レポート2割 C(合格)となるためには, 授業目標の項目のうち, 1, 4, 6, 8, 9, 10, 12, 15のうちの6項目以上について, 計算方法を正しく理解し, 実行できることが必要である. (ただし, 軽微なミスは許す.)
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