『ALFLEX』という制御飛行機のビデオを見たことがきっかけで大学卒業後、趣味でシステム制御理論の勉強を始めました。
大学の非常勤講師の先生に数学を教えてもらいながら第5章まで理解しました。かなり高度な理論ですので演習問題が解けたときの感動はたまりません。
演習問題を解くことにより「ラグランジュの未定乗数法」の論理を理解できました。
行列論のジョルダン標準形は非常勤講師の先生に何度も教えてもらい、理解を深めていきました。リアプノフ方程式の安定判別法、ラウスフルビッツの安定判別法は理解できると、とても面白いです。同一次元オブザーバなどもとても面白いです。
また、定理の証明は飛ばしても差し支えないよう工夫されていますし、例題も各定理ごとに載せてあります。大学理系の数学、物理の知識があれば理解できます。また、各章には問題が載せてあります。巻末には参考文献が67献載せてあります。意欲のある人はチャレンジしてみて下さい。とても面白いです。
システム制御理論入門 /小郷 寛/美多 勉
(目次)
第1章:動的システムと状態方程式
第2章:行列論
第3章:状態方程式の解とシステムの安定性理論
第4章:可制御性、可観測性と線形システムの構造
第5章:レギュレータおよびオブザーバの設計
第5章:サーボシステムの設計
第6章:最適フィードバック制御とカルマンフィルタ
第7章::非干渉システムの設計
(はじめに より)
システム制御理論は現代制御理論問いも呼ばれ、いわゆる古典制御理論では設計の難しかった多変数制御システムの設計に有効に利用できることが知られている。
この制御理論は、古典制御理論に比べ抽象的でわかりにくいと言われている。その理由は、古典制御理論では数学的記述が少なく、設計論という立場が取られているのに対し,現代制御理論では、理論の展開に重点が置かれてきたため、実際にどのように理解したら良いか把握しにくかったたであろう。
微分方程式でシステムを記述する多くの分野、さらには社会、経済学などでは、システムの安定性論、構造分析、制御などを問題にしており、状態方程式をもとにこれらを統一的に論ずる現代制御理論は、それぞれの分野の共通基礎としても利用され、古典制御理論よりも普遍的な学問と言えよう。
本書はこのような観点から設計論を重視し、システム制御理論を平易に解説されたものであり、とくに次の点に工夫した。基本定理については、その物理的意味が把握できるように、適切な例題を設けた。また本質を失わない程度でその証明をやさしくしたが、これを読み進めても,設計法として利用できるに配慮した。
以上の観点から本書は、大学学部、工専の学生、および、システム制御理論を利用されようとする技術者の入門書に適していると思われる。
システム制御理論入門
1979年12月15日 第 1刷 発行
2015年 2月10日 第33刷 発行
著者 小郷 寛 美多 勉 共著